朝食は和食と洋食どちらが良いのか
投稿日時:2025-10-01 15:44:35
健康のためには朝食に和食と洋食、どちらの方が良いのか、という議論が以前からありますが、これにはなかなか結論が出ないようです。
年代的に見ると、若い世代から働き盛りの世代には洋食派が多く、年配の方は和食中心のようなイメージを持ちますが、最近では意外と年配の方でも朝はパンなど洋食の方を好まれる方も多いようです。確かに年配の方といっても60代から70代初めくらいまでの方は戦後生まれですので、かつてのお年寄りの味覚とは異なるのかもしれませんね。
朝食に洋食の方が好まれるようになったことには、食の好みのみならず、朝は忙しくて和食のように手間のかかる献立を用意するのが難しい、という現実的な問題もあるでしょう。ただ、実際に統計を取った訳ではありませんが恐らく和食と洋食どちらが健康に良いかという質問をすれば大半の方は和食を選ぶのではないでしょうか。ご飯と味噌汁、焼き魚、納豆といった和食が伝統的に日本人の体質に合っている、という概念は年代を問わず根強いものです。
しかしそうした和食の健康効果は疑いようのないものとして、洋食が健康に良くない、と結論付ける必要もないでしょう。洋食でもスープを具沢山にして野菜を多く取り入れる、ヨーグルトをプラスするなど栄養バランスを改善する方法は色々とあります。結局、和食でも洋食でも、いずれにせよ朝食は規則正しく毎日摂ることが大切ではないでしょうか。
朝食を摂ることの意味
ここで一度、朝食を食べることのメリット・デメリットについて確認しておきましょう。
私たちは小さい頃から、朝昼晩の三回に食事を摂ることを習慣付けられてきました。このことについては若干の差異はあるものの、世界的にも、概ね共通しているといっていいでしょう。
私たちが食事を摂るのは“生きるため”です。生きるために、身体は本能的に食事を求め、私たちはそれに応じる形で食事をし、いつしか習慣にしてきました。つまり、今在る人間の食習慣は、こうした“動物的本能”に従ってきた名残ともいえるものなのです。
しかし、私たちは人間であり、動物ではありません。食事が動物的本能に端を発するものだとしても、私たちはそれを理解し、コントロールすることができます。私たちがより人間らしく食事をするためには、ただなんとなく食べるのではなく、食事をする意味を理解することが大切です。
それでは、人間が食事を取らなければならないのは何故なんでしょうか。社会的な役割は別として、原則的に人間は“栄養素を補給する”ために食事を摂ります。そして、栄養素を補給することによって、健康を維持・増進していくのです。
この二つの観点に基づいたとき、現在、私たちが送っている食生活の見え方は変わってきます。私たちは栄養素を補給しなければいけませんが、健康の維持・増進を妨げてはいけない。逆に、健康の維持・増進を目的にしても、栄養素の補給を怠ってはいけないのです。
そうしたとき、私たちの朝食は果たして、正しい習慣となっているでしょうか。 例えば、朝ごはんは“必ずしっかり食べなければならない”と言われていますが、果たしてそれは正しいでしょうか。
原則的に考えれば、一日の栄養バランスが摂れていて健康的であるならば、どのような形でもいいはずです。例えば、朝は軽めに済ませ、昼と夜で栄養バランスを取るという形でも、健康的には支障はないかもしれません。
何にせよ、私たちが信じてきた食生活に“絶対”はないということです。形骸化した食生活を続けるより、原則に基づいて食生活をみなしたほうが、一層よい食事を摂ることができると思いますよ。